非上場株式の株価評価というと、M&A、組織再編、相続、贈与などの場面を思い浮かべる方が多いと思います。
確かに、これれらの場面では非上場株式の株価評価が必要になってきますし、株価評価の本来の目的は、こうした非上場株式を動かす際の取引価額を確定することです。
(続)株価評価を通じて見えてくる経営上の問題点
ただし、こうした株式を動かす場面以外でも株価評価を行うことで様々な情報が収集され、思わぬ経営上の問題点を抽出できたりします。
同趣旨で以前以下の記事でも紹介しましたが、今回は前回の記事で紹介した事例以外に株価評価から見えてくる経営上の問題点としてよくある例をご紹介しようと思います。
保険積立金の時価評価から見えてくる問題点としては、
保険屋さんに言われるがままに保険に入りすぎ → いつの間にか多額の含み益(解約返戻金等>簿価)状態 → 含み益は解約して益が実現すれば法人税等の課税対象となる
また、これとは逆に適切な解約の時期を逸し、解約返戻金のピークを過ぎ、多額の含み損(解約返戻金等<簿価)状態 → 含み損は早めの損切りなどが求められる
投資信託やデリバティブの時価評価から見えてくる問題点としては、
本業とは関係なく金融投資目的で購入した投資信託やデリバティブ → 買ったきり全く管理されておらず放置プレイ状態 → いつの間にか多額の含み損となっている → 時価の回復が見込めなそう枝れば早めの損切りなどが求められる
不動産の時価評価から見えてくる問題点としては、
会社所有の不動産を調べる過程で本業の事業に全く使用されていない遊休不動産が見つかる → 遊休不動産は、今後自社で使うのか、第三者に貸すのか、売却処分するのか等を判断してそのまま放置しないことが求められる → そのまま放置すれば無駄に固定資産税等を払い続けることになる
これ以外にも株価評価を通じて発見できる経営上の問題点は意外と多いため、定期的に株価評価を行うことは個人的にはお勧めです。
こうした経営上の問題点を抽出するツールとしても株価評価は有用なので、私自身も株価評価サービスとして以下2点を提供しています。