株価評価 相続税 贈与税

新型コロナが非上場株式の株価に与える影響は?

はじめに

新型コロナウイルス感染症の影響で、売上高が減少している非上場会社は多いかと思います。

スタートアップ企業だけでなく、社歴数十年の老舗企業も売上減少に悩まされるところも多いはずです。

こうした市況下で、非上場会社の株価はどういった影響を受けているのか?という点について今回は書いていこうと思います。

なお、非上場会社の株価については、相続税法の財産評価基本通達をベースにした話になっています。当然に個々の非上場会社で置かれている状況や株価評価の基になるデータが異なるので全てに当てはまる話は難しいですが、比較的当てはまりそうな点について書いています。

売上減少→類似株価の下落

財産評価基本通達の非上場会社の株価評価は、類似株価と純資産株価を求めて、会社規模に応じてそれらを一定割合でミックスする方式が基本線です。

このうち、類似株価は、評価対象会社の①配当、②利益(所得)、③簿価純資産の3要素を基に類似業種の上場企業のデータと比準して算出されます。

ということで、コロナの影響で売上が減少すれば、利益も減少(法人税の課税所得も減少)し、上記類似株価の3要素のうち利益(所得)が減少して類似株価が下がる効果が見込まれます。

売上減少→会社規模区分の下落

上記で、財産評価基本通達の非上場会社の株価評価は、類似株価と純資産株価を求めて、会社規模に応じてそれらを一定割合でミックスすると書きましたが、この一定割合は、会社規模区分に応じて決められており、会社規模区分が小さければ、純資産株価が多く取り込まれます。規模が小さな会社の株価ほど、会社の業績よりも今持っている財産との結びつきが強いという理屈です。

肝心の会社規模区分は、評価対象会社の①業種、②総資産、③取引金額(売上高)、④従業員数によって決定されるのですが、③取引金額(売上高)が減少すると、会社規模区分が下がる可能性があります。

ということで、コロナの影響で売上が大幅に減少すれば、会社規模区分が下がり、類似株価よりも純資産株価がこれまでよりも多く取り込まれる可能性があります。

ここで、債務超過(純資産がマイナス)であれば純資産株価が多く取り込まれても株価が上昇する可能性も低いかと思いますが、老舗企業で純資産が分厚いところほど、純資産株価>類似株価となっています。上記のとおり、売上減少で類似株価が下落しても純資産株価が多く取り込まれる結果、株価が上昇するところもあるでしょう。

おわりに

売上が減少してるのになんで株価が上昇してしまうの?っていう違和感はわかります。

しかし、通達は全ての事象を思い通りに反映してくれるものではありません。ある程度形式的に事務処理的に評価されてしまう結果、財産評価基本通達どおり形式的に評価するとこうしたこともあるわけです。