日商簿記2級で連結会計、税効果会計が出題範囲になってる

企業経理で働いている方をはじめ、税理士試験にこれからチャレンジしよういう方なら日商簿記2級を受験使用と考えている方が多いのではないかと思います。会計士試験受験生は2級は受けず、1級を肩慣らしに受けるという方が多いかと思います。

日商簿記2級の出題範囲が変わっている

私が日商2級を受験したのは何年も前になり、初めから1級までやるつもりだったので当時あまり2級の出題範囲というのは意識していなかったのですが、近年2級の出題範囲が変わってきているようです。

実際の出題範囲の変遷過程がわかるのが以下の商工会議所HPの資料になります。

商工会議所簿記検定試験出題区分表(商業簿記・会計学)・改定箇所

★マークの部分が平成30年4月1日から2級の範囲に加わっているのですが、主要な論点でいえば

  • 税効果会計(回収可能性の検討など除く)
  • 連結会計のアップストリーム

でしょう。

というか、連結会計全体は☆マークで平成29年4月1日から2級の範囲になっている。。。

一部論点は削除されており、単純に上記新論点が2級に増えただけということはないのでしょうが、税効果会計とか連結会計は難解な論点なので2級受験生にとって近年の試験傾向はキツイものになっているなと感じました。

日商1級と2級の乖離

一方で、2級の難易度が上がることで、日商1級と2級の難易度の乖離が少しは小さくなるのではないかと思います。

私が日商1級受験時に苦労したのは2級から1級への壁でした。テキスト数でいうと当時2級は2冊だったのが、1級になると9冊くらいに増えますのでこの勉強量急増の壁に苦労しました。

なので、2級の難易度が上がることは、1級まで目指している方にとっては少し良い変化なのかもしれません。

雑感

これまでは、特に会計士や税理士を目指さないで、経理で仕事をしていくならば日商2級くらいまで取っておけば十分なんていうことを見聞きした方が多いかと思いますが、今後はそうもいっていられない状況になるかもしれないですね。

上場企業の経理マンの方であれば、税効果会計や連結会計の知識はあって困ることはないので今後2級を受ける意味はありますが、非上場の中小企業の経理マンの方々の日商2級離れが加速するのではないかと思います。

月次決算における法人税等の計上はどうする?

非上場の中小企業でも月次決算をしっかりやられている会社様も多いかと思いますが、月次決算で法人税等(法人税、地方法人税、住民税、事業税、地方法人特別税)の計上は行っていますでしょうか?

あくまでも私の感覚では、法人税等に関しては月次決算ではあえて計上していないという会社様が多いように思います。

月次決算で法人税等を計上しない理由

ではなぜ、月次決算で法人税等まで計上しないかといえば、それは以下のような理由からだと思います。

  • 法人株式等という勘定科目は、損益計算書の一番下の方(税引前当期純利益の下)に表示される科目であり、月次決算では営業利益、経常利益くらいまで把握できれば十分だから(重要性が小さいから)
  • 法人税等の金額は期末決算を待たなければ、正確に確定できないし、実際に計算するには申告書ベースで所得計算をしなければならず手間だから(月次決算のスピード重視)
  • 月次決算か否かに関わらず、法人税等を自社の経理では正確にに計算できない(経理レベルの問題)

上記のような理由に加え、非上場の中小企業(上場企業の連結子会社など除く)には上場企業が行わなければならない四半期決算がないので、自社外からの要請もないわけです。

月次決算で法人税等の計上は不要?

じゃあ、非上場の中小企業は月次決算で法人税等の計上は不要かといえばそれは少し言い過ぎかと思います。

例えば、期末に近づくにつれ、法人税等のキャッシュアウトが気になる経営者の方は少なからずおられるでしょうし、法人税等のキャッシュアウトを重要視している会社様であればその金額は月次でもある程度知りたいはずです。

月次決算での法人税等の計上はどうする?

では、非上場の中小企業の月次決算で法人税等の計上をどのようにするかですが、以下のような方法が考えられます。

  • 顧問税理士に協力いただいて、申告書ベースでしっかり計算してもらう(顧問税理士との契約上、月次で税金計算をしてもらえるかどうかという問題はありますが)
  • 自社の経理で簡便的に税引前当期純利益に実行税率を乗じて概算する
  • 自社の経理で申告書ベースで法人税等を概算する

実行税率を使う方法は、あくまでも簡便法なので、例えば自社の法人税別表4を見たときに加減算調整項目がたくさんあり、その調整額も大きな会社様の場合、実行税率により概算した法人税等の精度が低いものになってしまいます。

逆に、自社の法人税別表4を見たときに加減算調整項目がほとんどなく、その調整額も小さな会社様の場合、実行税率による方法でも概算レベルであれば問題ないかと思います。

個人的には、月次では実行税率による方法により、四半期や半期には申告書ベースで法人税等を概算する方法の組み合わせで十分かと思います。

ちなみに、自社で申告書ベースで法人税等を概算ってかなり難易度高くない?って思われる方も多いかと思いますが、決してそんなことはありません。私自身そういった自社での税金計算自計化支援をさせていただいておりますが、各会社様別に税金計算上重要性の高い別表にフォーカスして強弱をつければ自社で法人税等の概算も決して不可能ではありません。