消費税額のみの領収書の印紙税/消費増税に注意

領収書には通常、「本体代金」と「消費税額等」が一緒に記載されますよね。税込本体代金を記載する場合や別途消費税額等を分けて記載する場合など書き方は複数あり得ますが、「消費税額等」だけ記載する領収書っていうのはレアケースだと思います。

消費税額のみの領収書が発行されるケ―ス

レアケースではありますが、消費税額のみの領収書が発行される時はあり得ます。一例として、書籍の引用でお示しすると以下の通り。

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『例えば、平成31年(2019年)9月30日までに、本体価格1,000万円(税抜)消費税額等80万円で契約し、1,080万円を前受けした場合において引渡しないし役務の提供が平成31年(2019年)10月1日以後になったため、消費税額等の増分20万円を追加で受領した場合を考えてみる。』

出典:芹澤光春・井藤丈嗣・岩山将之『平成30年度改正対応 消費税 軽減税率・インボイス導入の完全対応ガイド』(ぎょうせい、平成30年)9項

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そう、消費増税時です。

消費税額のみの領収書の印紙税

上記のように消費増税時において消費税増差額分だけ後日受取り、領収書を発行する際に、領収書の印紙はいくら貼ればOKでしょうか?

この問い対する答えは、下記個別通達にあります。

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消費税法の改正等に伴う印紙税の取扱いについて(平成元年3月10日付間消3-2・最終改正 平成26年1月21日付課消3-1)

3 消費税額等のみが記載された金銭又は有価証券の受取書
消費税額等のみを受領した際に交付する金銭又は有価証券の受取書につい
ては、記載金額のない第 17 号の2文書(売上代金以外の金銭又は有価証券の
受取書)とする。
ただし、当該消費税額等が5万円未満である場合は、非課税文書に該当す
るものとして取り扱う。

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まとめると以下のようになりますかね。

消費税額のみの領収書 5万円未満 非課税文書
5万円以上 記載金額のない第 17 号の2文書(売上代金以外の金銭又は有価証券の受取書)に該当し、印紙200円

消費増税時、注意しなければならないのは消費税のみにあらずです。

経理マンの方、なんとなく領収書に印紙貼ってませんか?

例えば、事業会社の経理マンで、自社製品の売却代金の入金に対して発行する領収書を作成する業務(いわゆる領収書発行業務)を担当されている方は結構いらっしゃると思います(実際私も経理マン時代やっていました)。

ここで特に何も考えずなんとなく印紙税の課税物件表第17号の1文書の税率表に金額を当てはめて終わりの方、結構いるのではないかなと思います。

たかが領収書の印紙ですが、印紙税の判断では意外と見ていかないといけないポイントがあります。

記載金額5万円未満は非課税

そのポイントのうちの1つが非課税物件に該当しないかどうかの判定です。

印紙税の課税物件表第17号文書を見てみると非課税文書が3つあり、株式会社の売上代金入金ということであれば、記載金額5万円未満の非課税くらいは見て判定してほしいところですね。

もっとも、自社で取り扱ってる製品代金は全て余裕で5万円以上ということであればここはスルーしても問題ないですが、知っててスルーするのと知らずにスルーしてるのは違いますからね。

ちなみに、この5万円基準は少し前まで(平成26年3月31日まで)は3万円でしたので3万円で覚えていてそのまま改正がupdateされていない方もたまにいるのでお気を付けください。

営業に関しない受取書

あともう1つ、営業に関しない受取書も非課税とされてます。

株式会社が作成し、交付するという前提であれば、資本取引である株式払込金など一定のもの以外は全て営業に関するものになるので、この非課税の適用はないですが、例えば固定資産の売却は本業でないから営業に関しないものに該当するのではないかという疑問をお持ちになる方もたまにいますが、これは間違いです。

経理マンにとって、領収書作成は単調な事務作業であまり面白い仕事ではないですが、印紙についてちょっと気にしていただくと少し面白くなるかもしれません。