はじめに
今回ブックレビューを書かせていただく本はこちらです。
黒沢泰著『新版《逐条解説》不動産鑑定評価基準』(プログレス,2015年6月)
著者の黒沢先生は、不動産鑑定士であり、過去に不動産鑑定士試験2次試験の試験委員もされており、現在は実務修習修了考査委員もされています。この本以外にも多くの不動産鑑定関連の本を執筆されている先生です。
ブックレビュー
私自身、この本は不動産鑑定士試験の受験生の時から読ませていただいています。
内容は、タイトルから想像つくかと思いますが、不動産鑑定評価基準・留意事項の逐条解説になっており、分量も約500ページあります。
不動産鑑定評価基準の解説本としては、日本不動産鑑定士協会連合会の『要説』という本が一番有名かと思います↓
この『要説』に比べて、黒沢先生の本の方の方が圧倒的に図表や計算例等が多いです。
『要説』では基本的に文章中心で、具体的な評価額の計算例等が示されていないので、この本で数値を交えた計算例を眺めることで文章だけの基準の内容がより理解しやすくなると思います。不動産鑑定士受験生は最終的に基準を暗記する必要がありますが、単に文章だけで暗記するよりも、計算例等と一緒に覚えることで、より記憶にも残りやすいですし、計算科目である演習にも生かせる暗記になるでしょう。
特に、私と同じように、不動産鑑定実務の経験ゼロから不動産鑑定士試験の短答試験を独学しようとしている方は、『要説』と併せて持っておいて損はない1冊だと思います。