不動産 法人税

相当の地代の年6%は高すぎるか?

相当の地代方式

借地権設定時(土地の賃貸借契約開始時)における借地権の認定課税のリスク(地主から借地権者へ借地権の贈与認定)を避ける方法としては、

①借地権の対価としての権利金を支払う(権利金方式)、

②相当の地代を支払う(相当の地代方式)、

③無償返還届出書を税務署に提出する方式(無償返還届出方式※)

が考えられます。

※地主か借地権者のどちらかが法人の場合のみ

このうち、②相当の地代方式とは、借地権の対価としての権利金の支払いに代えて、近隣地代に比較して高額な地代として更地価額×年6%を支払う方法をいいます(法人税法基本通達13-1-2、平成元年3月30日付直法2-2「法人税の借地権課税における相当の地代の取扱いについて」個別通達)。

相当の地代6%は高すぎる?

ところで、この相当の地代の年6%という地代率は、通達ができた当時は年8%とされていました(年8%というのは、当時の国債利回り年6.2%であったので、これに固定資産税等の公租公課を加えて概ね8%とされたことによります)。

その後、昭和60年代に入り地価の高騰が続いたことから、平成元年に上記個別通達を出して、年8%が年6%へ引き下げられ現在に至るという経緯があります。

ただ、年8%から年6%に引き下げられたとはいえ、更地価額の年6%は依然として高いと感じられる方(特に不動産投資家の方など)が多いのも事実です。

そして、この相当の地代の年6%は、現在のような超低金利の時代には実情から乖離し、合理性を欠いているのではないか、すなわち年6%は高すぎないかということを正面から主張した納税者に対して地裁の判断が述べられた事例(H12.9.29神戸地裁 TAINS Z248-8905)があります。

神戸地裁の判断部分を一部抜粋すると以下の通りです。

確かに、相当地代通達に定める相当の地代の率年6パーセントは、本件相続開始当時の市場利回りに比して高率であることが窺われるが、右相当の地代の率は市場利回りのみに基づいて算定されたものではないこと、相当地代通達は、前記判示のとおり権利金の支払に代えて相当の地代が支払われている場合等の特殊な場合について、相続等があった場合の借地権等の評価について例外的な取扱いを定めたものであることからすると、同通達の年6パーセントという地代の率は、著しく不合理とまでいうことはできない。

年6%は市場利回りに対して高いということは裁判所も理解を示しているものの、結論として不合理とまではいえないと判断されてしまってます。

私見

ただ私個人的には、この裁判所の判断を読んでもまだ完全に腑に落ちてません。

今後どこかで今一度この相当の地代率年6%を見直した方がよいのではないかというのが私見です。

なお余談ですが、②相当の地代方式は年6%が高すぎるということのほかに、相当の地代の改訂型と固定型の選択の論点や、相当の地代を引き下げた場合の認定課税のリスク(法人税法基本通達13-1-4)など税務上いろいろと考えなければならない論点が多いのも厄介ですので使う際は要注意です。

 

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