税務全般 経理実務

売上予算達成と税務リスク

管理会計の手法を用いて予算制度を導入している会社は多いかと思います。

また、単に予算といっても会社全体の予算(翌期の予想損益計算書のイメージ)から、部門別の予算(翌期の予想部門別損益計算書のイメージ)まで様々あり、営業マン個人にも売上ノルマを課している会社も多いでしょう。

今回は予算の作り方とか予算管理についてのお話ではなく、この予算制度と税務リスクの関係をみていこうと思います。

売上予算達成と税務リスク

予算と税務リスクって一見すると何の関係も内容に思われますが、それは違います。

実は予算制度の導入は税務リスクが高まる可能性も秘めています。

一例をあげれば、3月決算の会社で2月末までに売上予算を達成した部門があるとします。そしてこの部門が「当期はもう売上予算は達成したから、3月分の売上は翌期に回してしまおう」と考え、それを行ったとします。この場合、3月分の売上がまるまる当期の売上計上漏れということになり、税務調査で見つかると追徴課税されます。

図:予算達成による売上先送りの税務リスクイメージ

上記の予算達成により先送りされた売上高は翌期首の4月あたりに売上計上されることが多いでしょうが、税務調査では期末直前と直後の動きは必ずチェックされますから発覚する可能性が極めて高いです。

なお、このような売上予算達成に伴う売上先送りを防ぐ方法として、例えば売上予算を超えた部分の金額に応じて従業員に決算賞与を支給する旨を予算に織り込み、従業員に還元する方法が考えられます。

こうすることで、個々の従業員に売上先送りの動機をなくさせることは多少出来るでしょうが、役員が主導して売上先送りなどをしている場合も考えられますのでそこは別の方法で防ぐ方法を模索していかないといけません。

おわりに

この例以外にも予算制度を導入していると売上予算達成や仕入予算消化、経費予算消化を意識するあまり本来計上すべき時期と異なる時期に売上、仕入、経費が計上されることにより、税務リスクが高まるリスクがあります。今回のケース以外の税務リスクについてもまた追って記事にしていこうと思います。

予算制度を導入することによるメリットやそれを促す書籍やセミナーはたくさんありますが、一方で上記のような税務リスクが増すことも十分に意識しておく必要があるでしょう。

 

 

 

 

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