印紙税

契約書コピーだから印紙不要は大丈夫か?

実務上、印紙税の節税のためによく行われる方法の1つとして、契約書のコピーを保管するという方法があります。

例えば、不動産売買契約書の原本1部のみ作成し、その原本にのみ印紙を貼り、消印したうえで、原本は買主が保管、そのコピーを売主が保管するという方法です。もし、契約書を2部作成すれば2部それぞれに印紙が必要となりますが、1部しか作成しなければ1部分の印紙で済みますので、2部作るよりも印紙税を1部分節税できるというわけです。

契約書コピーでも印紙が必要となる場合

確かに、単なる契約書のコピーであれば印紙は不要なのですが、契約書のコピーでも印紙が必要となる場合があります。

例えば、以下のような場合では、例え契約書のコピーでも印紙が必要となりますので注意が必要です(印紙税法基本通達第19条2項)。

①契約書のコピーに、契約当事者の双方の署名又は押印がある場合

②契約書のコピーに、コピー所持者の契約相手方の署名又は押印がある場合

③契約のコピーに、正本等と相違ないこと、又は写し、副本、謄本等であることについて、コピー所持者の契約相手方の証明(正本等との割印を含む)がある場合

おわりに

以上を踏まえると、印紙税の節税の観点からは、契約書コピーには一切手を加えない方が良いといえます。

加えて、契約書コピーはカラーコピーではなく、白黒コピーの方が良いでしょう。最近のコピー機の精度は非常に高いので、カラーコピーだと契約書の押印の赤色がより鮮明に映し出され、あたかも実際に押印したかのように見えてしまうリスクを防ぐためです。

個人的には、白黒コピーに何も手を加えないこと、これが一番よいと思います。