印紙税/2号文書と7号文書の所属決定をコントロールする

請負の契約書でよく月額料金と契約期間を定めたものがあります。

例えば、ビルの清掃請負契約書で、以下のように月額料金と契約期間の条項がある場合、印紙税法上の記載金額はどうみるか(話の簡略化のため他の契約条項はここでは無視しています)。

「清掃料 月50万円」

「契約期間は平成30年4月1日から平成31年3月31日までの1年間、当事者異議なきときは更に1年間延長する」

印紙税法について全くなじみのない方だと、記載金額なのだから文字通り月50万円の50万円とみてしまう方もいるかもしれませんが、このような月単位で契約金額を定めた場合の記載金額については印紙税法基本通達第29条に取扱いが定められています。

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(月単位等で契約金額を定めている契約書の記載金額)

第29条 月単位等で金額を定めている契約書で、契約期間の記載があるものは当該金額に契約期間の月数等を乗じて算出した金額を記載金額とし、契約期間の記載のないものは記載金額がないものとして取り扱う。
なお、契約期間の更新の定めがあるものについては、更新前の期間のみを算出の根基とし、更新後の期間は含まないものとする。

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上記通達では、契約期間の記載があるか(赤字)、ないか(青字)で取扱いが分かれています。

上記の契約であれば、契約期間は、平成30年4月1日から平成31年3月31日までと記載があるため、赤字の取扱いになり、記載金額600万円(50万円×12月)となります。

通達のなお書きにある通り、自動更新後の期間は記載金額の計算には含めません。

結果的に、請負で記載金額600万円だと第2号文書の課税物件表に当てはめれば印紙1万円となります。

 

これで話を終わりにしてしまうとつまらないので、もう一歩話を進めます。もし仮に上記で契約期間の条項が以下のように契約期間の始期のみ記載されていたらどうなるでしょうか。

「契約は平成30年4月1日から開始する」

今度は契約期間の記載がないので通達の青字の取扱いになり、記載金額なしとなります。契約期間が不明なので掛算で記載金額の計算できませんからね。

そうすると、記載金額無しの第2号文書になります。

記載金額無しの第2号文書は課税物件表に当てはめれば印紙200円です。

でもここで終わりにしてしまうと片手落ちです。

今回のケースだと第2号文書だけでなく、第7号文書にも同時に該当する可能性が高いです。

第7号文書に該当するかの要件判定はここでは割愛しますが、仮に第7号文書にも該当するとなれば2号か7号かの所属の決定を行う必要があります。

所属の決定もここで詳細を書くとまた分量が増えるので詳細割愛しますが、「記載金額無しの2号」と「7号」に同時該当なら「7号」に所属が決定し、印紙4,000円となります。

何が言いたいかというと、月額料金タイプの契約では契約期間の書き方次第で2号と7号への所属の決定をコントロールできる、つまり、印紙負担をコントロールできる可能性があるということです。

もちろん、相手あっての契約なので契約締結前に好き勝手に契約書内容を変えることはできませんが、グループ会社間等であれば契約締結前に契約書の記載を少し変えるくらいは容易でしょう。

契約前から印紙負担をコントロールできるかどうかが契約書作成担当部門(法務部など)の腕の見せ所ではないかと思います。

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