グループ経営における親会社(持株会社)の重要なミッションの1つに子会社業績評価があります。
子会社の事業計画の作成(支援)の業務から持株会社が行い、当初立てた事業計画を達成したかどうか最終的に評価する段階(四半期末や期末)で行うのが子会社業績評価といえます。
子会社業績評価(定量評価)
一言で業績評価といっても大きくは①何らかの指標を用いた定量的な評価と②数字では測れない定性的な評価の2つに分けられると思います。
①定量評価と②定性評価のどちらをどの程度重視するかは各社が決めることですが、①定量評価の方が客観的かつ公平な評価が可能なのでこちらのウエイトが高くなってくるのが一般的かなと思います。
定量評価する際にどんな指標を最も重視するかも各子会社が自由に決めることですが、一般的にはROE(自己資本利益率)がメジャーかと思います。
ROE=純利益/株主資本
分母の株主資本は、期首の数字を使うより、期首と期末の1/2を用いるのがより望ましいと思います。そして会計基準を適用していない非上場の中小企業ではほとんどが株主資本=純資産になるかと思います。
ROEについての詳しい説明はネット上でもたくさん出てますのでここで改めて語ることはしませんが、少ない資本でどれだけ効率的に利益を残したかを図る指標であり、個人的にもこの指標を用いて評価するのが理にかなっているという見解です。
子会社業績評価(定性評価)
最後に定性評価ですが、こちらも各社が自由にどんな評価をするのか決めたらいいところですが、あくまでもメインは定量評価としつつも、どうしても数字だけではとらえきれない部分をここで補足するイメージが私の思う定性評価です。
いろいろあると思いますが、地域雇用の創出貢献、地域活性化、従業員満足度、企業グループPR、研究開発などでしょうか。
おわりに
上場企業の持株会社はこの辺り(子会社業績評価)当然にやっているのですが、どうしても非上場の中小企業では持株会社がこの辺りをしっかりできていないケースが多いのではないかと推察します。
理由はさまざまあるかと思いますが、私見では、単にオーナー家の相続税対策のみを考えて持株会社体制にしたケースなどが多いせいかと思っています。
税の視点も重要ではありますが、その前に持株会社としてグループの最上位に立つ会社がどうあるべきかというビジネス上の視点を忘れないことが重要かと思います。