令和2年税制改正に関する経産省の要望が、以下の通り経産省HPでアップされております。
https://www.meti.go.jp/main/zeisei/zeisei_fy2020/zeisei_r/index.html
概要をまとめたPPTの資料をみると、一番初めに連結納税制度の見直しについて書かれていますが、これはすでに私のHPでも紹介した「グループ通算制度(仮称)」の新設のお話ですね。
消費税の申告期限の延長の特例【新設】と実務
令和2年税制改正では、連結納税制度の見直し(グループ通算制度(仮称)の新設)が大玉なのは間違いないと思いますが、経産省の改正要望概要資料をざっと眺めていると「消費税の申告期限延長」という内容も入っていました。
出典:令和2度税制改正に関する経済産業省要望【概要】43項
消費税の申告期限延長は、実現すれば実務上は結構ありがたい改正かと思います。
上記資料にも記載がありますが、法人税と地方税は従来より1か月の申告期限延長が認められていましたが、消費税は申告期限延長は認められていなかったため、結局は、消費税の確定申告書を作成するために決算を期末から2か月以内に終わらせないといけないという実態になっていました。
すなわち、経理サイドからすれば、法人税や地方税の1か月の申告期限延長をしていても、その分決算をゆっくりできるということにはならないため、消費税の申告期限も延長できればなーという思いは少なからずあったと思います(私が経理マンの時はそう思っていました)。
経産省の資料では、上記のような企業経理サイドの思いを昨今の「働き方改革」というキーワードを用いて消費税の申告期限の延長特例を新設する要望となっています。
ただし、裏の事情として、軽減税率が導入されて消費税の確定申告書作成に手間がかかるからというのもあるのではないかと個人的には思っています。
税理士試験的には
以上が実務上の話ですが、税理士試験(消費税法)の試験上もそれなりに重要かなーと思っています。
なぜ、めちゃくちゃ重要じゃなくそれなりにかというと、消費税に関しては、軽減税率の話が話題の中心であり、どうしても試験的には、申告期限の延長の話は軽減税率よりも話題性や重要性の面でインパクトは薄いかなと思うからです。
ただし、申告期限の延長の話自体は覚えること自体それほど苦労するような項目ではないでしょうから、令和2年税制改正で実際に新設されたら、軽く覚えるようにしておけば十分かと思います。