3月決算は今まさに期末直前を迎えており、利益が当初の予想を上回る見込みの場合、少しでも法人税等の節税をしたいとお考えの会社も多いでしょう。
法人税等の節税方法は多種多様ありますが、メジャーな方法の1つとして、「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」というものがあります。
国税庁HPタックス・アンサー「No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5408.htm
制度のネーミングが長いですが、よく中小企業なら30万円未満の資産は全額経費処理できるなんて言われている制度です。
ただし、この制度を適用するにはいくつか要件を満たさないといけません。細かい要件の内容は上記国税庁HPタックス・アンサーに譲りますが、今回は特に期末直前にこの制度を利用しようとして、30万円未満の資産の購入した場合の注意点を1つご紹介します。
買っただけではダメ。
中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を平成18年4月1日から平成32年(2020年)3月31日までの間に取得などして事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができます。
出典:国税庁HPタックス・アンサー「No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」
この制度概要について国税庁HPタックス・アンサーを引用させていただきましたが、ポイントは上記赤字部分です。
要は、買っただけではダメで、使いだしていないといけないという要件(事業供用要件)です。
例えば、3月決算の会社が期末直前に当期の節税対策としてこの制度を使おうとして、単価25万円くらいの事務用PCを10台購入(合計約250万円)したけど、3月末時点で箱詰めされた状態で全然使っていないという場合、上記事業供用要件を満たしませんので、当期はこの制度が使えないということになります。
おわりに
期末直前に節税対策を駆け込みで行うと思わぬところで足元をすくわれがちで税務リスクが増します。
また、税務調査でも期末直前直後の動きはよくチェックされますので、慌てて駆け込みで期末直前に節税対策を講じるのはあまりお勧めしません。
当たり前のことですが、節税対策は期中からしっかりと業績を見据えて準備していくに越したことはないです。