建設業 法人税

作業くず・廃材・スクラップ売却と各種リスク

主に、製造業や建設業を営む会社では工場、作業場で作業くず・廃材・スクラップ(以下、作業屑等)が発生することがあります。

こうした作業くず等は、①全く値が付かず廃棄費用のみかかるものもあれば、②金属などそれなりに値が付き廃材回収業者に売却できるケースもあります。

ここで、各種リスクが発生しやすいのが②のケースです。

税務リスク

作業くず等の売却代金の記録・記帳が漏れる、すなわち売上計上が漏れるという税務リスクがまず発生しやすいです。

売上計上漏れ → 利益減 → 法人税等減(税務リスク)

こうした作業くず等の売上計上漏れが税務調査で指摘されると税金が追加徴収されます(加算税、延滞税等のペナルティーもついてきます)。

従業員等の不正リスク

上記のように、作業くず等の売却代金の記録・記帳が漏れている場合、売却代金自体が工場や作業場の金庫等にしっかり保管されて残っているケースは少ないでしょう。

だいたいが従業員等に使い込まれてしまっており、売却代金は残っていないことが多いです。

従業員等が作業くず等の売却代金を使い込んでいる場合、従業員等から返金してもらえればいいですが、もしそれが不可能な場合は従業員に対する現物給与の課税の問題なども生じ、話が複雑になります。

 

各種リスクを防ぐには

以上のような各種リスクを防ぐには、会社として作業くず等の売却に伴う記録・記帳の業務フローを整備する必要があります。

例えば、不定期で廃材回収業者に売却している場合、定期的(毎月、2か月に1回等)に廃材回収業者に売却するように業務をルーチン化することで経理部でも元帳を確認することにより売上計上漏れがないか気が付きやすくなります。

後は、廃材回収業者とやり取りする従業員を定期的にチェンジして、廃材回収業者と従業員の癒着を防ぐのもありです。