組織再編(合併、分割等)、M&A(株式譲渡、事業譲渡等)となると、法務、労務、会計税務と多方面にわたり検討することがあり、その過程で契約書はじめ様々な文書が作成されます。
組織再編、M&Aと印紙税
文書が作成されるとなると、印紙の要否を検討しなければなりません。
すなわち、それぞれの文書が印紙税の課税文書に該当するかどうか検討しなければならないわけです。
原則として、課税文書に該当するかどうかは、文書のタイトルだけで判断してはならないのですが、とは言え、文書のタイトルだけで課税文書に該当する該当する可能性が極めて高いものもあります。
組織再編、M&Aの過程で作成される文書の中で、文書のタイトルだけから見て課税文書に該当する可能性の極めて高いものの代表例は以下の通りです。
文書タイトル | 該当する可能性の高い課税文書 |
吸収合併契約書 | 5号文書に該当し、印紙4万円 |
新設合併契約書 | 5号文書に該当し、印紙4万円 |
吸収分割契約書 | 5号文書に該当し、印紙4万円 |
新設分割計画書 | 5号文書に該当し、印紙4万円 |
事業譲渡契約書 | 営業の譲渡(1号の1文書)に該当し、記載金額に応じて印紙要 |
各種DD契約書(デューデリジェンス契約書) | 契約書に成果物として「DD報告書」等の記載があれば、請負契約(2号文書)に該当し、記載金額に応じて印紙要 |
おわりに
上記の文書タイトルの契約書は、あくまでも課税文書に該当する可能性が極めて高いだけですので、最終的には必ず文書内容を確認する必要があります。
ですが、上記の文書タイトルを見た時に、これ印紙が必要かもと疑えること、気づけることが実務に携わる者としては重要だと思います。
組織再編、M&Aの場合、取引金額自体も大きくなりますが、上記の通り印紙税額も他の契約書と比べて高額となりますので、印紙の貼り漏れにはご注意ください。