経理の皆さん、保険積立金の残高確認やっていますか?

中小企業だと多くの会社が法人契約の保険に入っていると思います。

一口に保険といっても、生命保険と損害保険、生命保険でも様々なタイプのものがあります。

まずは正しい会計処理を把握する

法人が保険に入る目的は様々ですが、経理の仕事としては、支払った保険料の会計処理が重要になってきます。

支払った保険料の全部が経費となるいわゆる全損タイプ、1/2が経費となるタイプなどがありますので、各保険の内容を確認して、各保険ごとに正確に会計処理していかないといけません。

毎期決算時に会計処理の検証を行う

ただし、経理の場合、どうしても業務が属人化しがちであり、例えば、保険料の会計処理担当者が急に退職したり、部署移動があった際に、保険料の会計処理について適正な引継ぎがなされず、引き継いだ担当者が会計処理を誤るというリスクが考えられます。

もちろん、こうした担当者の引継ぎエラーを回避するために、日ごろから経理業務を属人化せずに、一定期間でローテーションするとか、引継マニュアルを整備するという方法が考えられますが、万一引継ぎエラーによる会計処理誤りが発生した場合を想定しておく必要もあります

今回の保険料の会計処理についていえば、毎期決算時に保険会社にこれまでの支払保険料累計額の証明資料を依頼すれば(例えば、3月決算なら、3月末時点の資料を依頼)、会社がこれまでに支払った保険料の累計額が分かります。例えば、その保険が1/2損金タイプであれば、支払保険料累計額の1/2がBSの資産の部に保険積立金(又は、前払費用、長期前払費用など)として計上されていないとおかしいという検証が可能となります。

保険はものによっては支払額も大きく、かつ、長期にわたって支払われるため、一度会計処理を誤ったまま上記のような検証を行わずにずっといってしまうと税務調査で指摘されて思わぬ税負担が生じるリスクも高いです。

おわりに

ということで、以上に紹介した保険積立金の残高確認の業務を決算業務の1つとして加えていただくことで正確な保険料の会計処理の担保につながります。

毎月の正確な会計処理 + 決算業務でその検証

という2段構えで経理を行う姿勢が重要ですね。なんでもかんでも月次を簡略化して決算業務に回せばよいということは決してありません。月次でできないことは決算でできませんから。

中小企業の月次決算/費用の平準化

上場企業であれば、四半期決算がありますし、それに向けて毎月の月次決算も相当精度が高く行われていることが多いですが、非上場の中小企業の場合どうしても月次決算がないがしろにされがちです。

もっとも中小企業の場合、経理の人材不足で月次決算をやってる余裕はないというのはわかるのですが、月次決算により経営陣に早期に財務状況の報告が可能となり、月次決算から得られる情報は経営陣の意思決定にはなくてはならないものです。

月次決算って何から始めればいいの?

月次決算をこれまでやってきていない会社でも、日々の取引の記帳をタイムリーに経理でしっかりやっているのであれば、もう一手間、二手間加えることで月次決算ができる状態にあります。

逆に日々の取引の記帳がタイムリーに行われていない場合(例えば2,3か月分の取引を後でまとめて記帳したりしている場合)、まずはそこから改善していかないといけません。

要は、

①日々の取引のタイムリーな記帳+➁月次決算特有の仕訳=月次決算

ということです。

月次決算特有の仕訳とは?

ここでは、上記算式の①日々の取引のタイムリーな記帳はクリアできていることを前提とし、➁月次決算特有の仕訳についてここではその代表例である費用の平準化をいくつかご紹介します。

費用の平準化 具体例
金額的重要性の高い年1回払い費用の平準化 例えば、年1回払いの生命保険料など、毎月支払うものではないが、支払額がかなり多額な費用について、支払時に全額費用計上するのではなく、毎月未払計上して費用の平準化する。
減価償却費の月次計上 減価償却費の計上について期末決算時に行っているのであれば、それを月次で行うように前倒しする。

前期ベースの年額償却費/12月で毎月計上する方法と当期予定ベースの年額償却費/12月で毎月計上する方法があるが、後者の方がよい。

引当金の計上 賞与や退職金を支払時に費用計上するのではなく、賞与引当金、退職給付引当金を計上して費用の平準化する。

※引当金は税務上損金にならないケースが多いので法人税申告書別表4で調整要

費用の平準化→月次損益の平準化を行うことが目的です。

引当金の計上は少し難易度が高いですが、それ以外であればさほど難易度は高くないと思います。いきなり全部やろうとすると大変なので、少しずつできるところから始めていくのが良いと思います。