適格請求書発行事業者以外からの課税仕入れに係る経過措置

平成35年(2023年)10月1日から適格請求書発行事業者以外からの課税仕入れについて仕入税額控除が受けられなくなります。

これは、適格請求書保存方式の下では仕入税額控除の要件として、適格請求書発行事業者のみが発行できる適格請求書等の保存が要件とされているためです。

ここで、適格請求書発行事業者以外の者として具体的にはどういう者が該当するかというと、以下の3者が該当するとされています(消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&AのQ64参照)

適格請求書発行事業者以外の者
➀ 消費者
② 免税事業者
③ 登録を受けていない課税事業者

適格請求書発行事業者の登録を受けると消費税の納税義務が発生するわけですが、③はもともと課税事業者なのであえて登録を受けないというケースは少ないのではないかと思います。

そうすると、タイトルにある「適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れに係る経過措置」は主に②の免税事業者に配慮した措置であるといえます。

すなわち、免税事業者からの課税仕入れについて、平成35年(2023年)10月1日から仕入税額控除を認めないこととすると、免税事業者が取引から排除されるなど経済的に影響が大きいのでそれを緩和する措置という感じでしょう。

経過措置の具体的内容は以下の通り。平成35年(2023年)10月1日から急に仕入税額控除を認めなくするのではなく、段階的に認めなくする措置になります(消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&AのQ64の表に一部加筆)。

期間 仕入税額控除可能割合
平成35年(2023年)10月1日から平成38年(2026年)9月30日 仕入税額相当額の 80%は仕入税額控除可
平成38年(2026年)10月1日から平成41年(2029年)9月30日 仕入税額相当額の 50%は仕入税額控除可
平成41年(2029年)10月1日以降 仕入税額控除不可

免税事業者側にとってみれば、急に取引から排除されるリスクなどが無くなってよかったのかもしれませんが、免税事業者から課税仕入れを受ける側からしたら免税事業者からの課税仕入れと適格請求書発行事業者からの課税仕入れを6年間も分けて管理しないといけない手間が増えますね。

各社の会計ソフト消費税改正バージョンアップ版で、上記のような80%仕入税額控除の税コード、50%仕入税額控除の税コードなんかが用意されていればそれを使うことで区分できると思いますが、そうでなければ何かしらの集計方法を考えないといけないですね(こうした人力の手間を減らすようなソフト(AI)が出てくる可能性も高いですが)。

さらに、80%仕入税額控除や50%仕入税額控除の適用を受けるには一定の帳簿及び請求書等の保存要件(手続要件)も満たす必要があるのでそこも注意を要します。

 

適格請求書発行事業者の登録番号は法人と個人で違う

平成35年(2023年)10月1日より消費税に日本版インボイス制度が導入されるわけですが、まずはじめに事業者が行う必要があるのが適格請求書発行事業者の登録申請ですね(もちろん登録しないという選択もあり得ますが)。

申請書の提出自体は、平成33年(2021年)10月1日からできることとされています(消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(平成30年6月)の問2、3、4参照)。

登録が済むと登録番号が発行されるようですが、法人の場合と個人の場合で登録番号が以下の通り異なります(消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(平成30年6月)の問12参照)。

法人の登録番号 T+法人番号
個人の登録番号 T+13桁の数字(マイナンバーは利用せず)

「T」ってなんの略なんでしょうね(不勉強ですいません)。おそらくTAXの頭文字ですかね。

個人の方は、登録してみないどんな登録番号になるかわかりませんが、法人の方は法人番号利用するということなので、もう今の時点で登録番号は判明しています。

登録しないで登録番号を請求書に記載するという悪い事業者が出てこないといいですが、登録しているかどうかはネットで公開されますし、こういった行為に対する罰則規定もあります。

ですが、請求書の受取側では仕入税額控除の正確性を担保するためにも、発行者の記載した登録番号を鵜呑みにせずにネットで登録されているかチェックする姿勢は必要でしょうね。

あと、個人の方はマイナンバー以外にまた新たな数字を管理しないといけないのでそれはそれで面倒ですね。個人的には、間違って登録番号にマイナンバー書いちゃう人とか出てくる気がしています。