倍率方式で使うのは基準年度の固定資産税評価額

相続税や贈与税の分野における財産評価のルールブックとして、財産評価基本通達があります。

そして、土地の評価額については、大きく路線価方式と倍率方式の2種類がありますが、財産評価基本通達21、21-2には倍率方式による土地の評価方法が定められています。

倍率方式について簡単に式で表すと以下の通り非常にシンプルですが、意外と注意しないといけないところがあります。

土地の評価額 = 固定資産税評価額 × 倍率

倍率について

まず、倍率ですが、こちらは国税庁が毎年HPで公表しているのでそちらを使います。評価する年度の倍率を使うだけですが、倍率は所在場所(地域)ごと、土地の地目ごとに異なるので、そこを間違えないように念のため注意が必要です。

ご参考:国税庁HP:評価倍率表(一般の土地等用)の説明

固定資産税評価額について

次に、固定資産税評価額ですが、こちらは土地の名寄帳や固定資産税課税明細書に記載されているものを使用しますが、いくつか注意点があります。

①固定資産税課税標準額を使わないこと

よくありがちなミスとして、固定資産税課税標準額を使用してしまうというものがあります。使うのはあくまでも固定資産税評価額です。土地の名寄帳や固定資産税課税明細書にには、これら2つとも記載されてますので、取り違えないように注意が必要です。固定資産税課税標準額の方が固定資産税評価額よりも小さいことの方が多いので取り違えると過小評価になってしまいます。

②基準年度の固定資産評価額を使うこと

まず、財産評価基本通達21を以下にご紹介します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

21 倍率方式とは、固定資産税評価額(地方税法第381条((固定資産課税台帳の登録事項))の規定により土地課税台帳若しくは土地補充課税台帳(同条第8項の規定により土地補充課税台帳とみなされるものを含む。)に登録された基準年度の価格又は比準価格をいう。以下この章において同じ。)に国税局長が一定の地域ごとにその地域の実情に即するように定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する方式をいう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

上記赤字に記載があるように、基準年度の固定資産税評価額を使用します。

固定資産税の基準年度は、直近では平成30年度です。例えば、平成30年分から平成32年分までの基準年度は平成30年度という意味で、3年ごとに評価替えがなされます。

そうすると、平成31年の評価において使うのは平成31年度の固定資産税評価額ではなく、基準年度の平成30年度の固定資産税評価額になります。

以下のような場合、平成31年における評価額は

土地の評価額 = 10,000,000円 × 1.0

となります。平成30年度の固定資産税評価額(9,000,000円)を使わないというのがポイントです。

年度 固定資産税評価額 倍率
平成30年 10,000,000円 1.1
平成31年 9,000,000円 1.0

土地の固定資産税評価額は3年間据え置くことが原則ですが、自治体によっては次の評価替え前に引き下げられる場合もあります。この場合、国税庁公表の倍率でもその価値の下落を反映していますので、もし平成31年度の引き下げ後の固定資産税評価額(9,000,000円)と引き下げ後の倍率(1.0)を使うと、2重で価値の下落を考慮してしまっていることになります。

簡単なようで意外と奥が深いのが倍率方式です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です