経理実務

経理部の皆さん、決算業務前倒しやってますか?

特に非上場の中小企業における決算業務を早期化するには、この「決算業務の前倒し」が効果を発揮します。

決算業務は期末決算時にやるものという固定概念を取り外し、できろことは期中から前倒しで実施していくのが「決算業務の前倒し」です。

まずは決算業務の棚卸

決算業務を前倒しするに当たってまず初めにやらないといけないのが、現状の決算業務の棚卸です。

これは先に記事でも紹介した決算スケジュール表の作成により行うことができます(経理部の皆さん、決算スケジュール表作ってますか?)。

決算スケジュール表を作ることで、だれが、いつ、どんな決算業務を行っているのかできるだけ細分化して棚卸する(細分化する)のが重要です。

次に決算業務の前倒し

上記決算スケジュール表ができたら、どの決算業務が期中に前倒しできるかを検討していきます。

例えばいくつか前倒しの例を以下にご紹介します。

前倒しする決算業務前倒しのポイント
消費税コードのチェック決算時に1年分の取引の消費税コードチェックを行うのは手間と時間を要するため、毎月の月次又は四半期に消費税コードチェックを行い決算時には決算整理仕訳の消費税コードチェックで済むようにする。
取得資産の登録と減価償却費の計上期中に取得した固定資産の固定資産台帳への登録と減価償却費の計上を決算時にまとめてやっている会社は、月次でそれらを行うことで決算時の手間と時間が短縮される。
現金主義から発生主義への修正期中は簡便的に入金時に売上計上しているもの(太陽光売電収入、自販機収入、廃材売却収入などの雑収入系に多い)は決算時に発生主義に修正する必要があるが、これを期中から発生主義で仕訳することで、決算時に現金主義から発生主義へ修正するのを忘れるといったリスクを軽減でき、手間もなくなる。
棚卸資産の実地棚卸実地棚卸自体は期末に必ずやらないといけない業務ですので前倒しなんてできないと思われる方がいるかと思いますが、ここで私が言う前倒しとは、期中に最低1回(例えば半期に1回)実地棚卸をやっておくことで、期末実地棚卸がスムーズに行えるということです。どうしても年に1度の業務は、去年どんなふうにやってたんだっけ?という復習から始まり時間がかかりますので。

他にも前倒しの例は私自身たくさん持っていますが、いずれにしてもいきなりたくさんの決算業務を前倒しすると、特にマンパワーの不足しがちな中小企業では期中業務が重くなりますので少しずつできる範囲で進めていくのがお勧めです。

決算業務前倒しの効果

決算業務を前倒ししても期中業務が重くなるのであまり意味ないんじゃない?と思われる方が多いかと思いますが、それは違います。

決算業務、すなわち、年に1度の業務としてしまうとどうしてもミスが多発する傾向にあります。決算業務を月次業務、四半期業務に落とし込めれば、こうしたミスも軽減できます。上場企業では四半期決算があるのでいいですが、非上場の中小企業でもぜひ決算業務の前倒しを実施してほしいと思います。

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